08/04/10  画集『夢の力 エム ナマエの華麗度スコープ万華鏡』

今日は、小社刊、画集『夢の力 エム ナマエの華麗度スコープ万華鏡』
をご紹介しましょう。
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この画集は、現在の作品はもとより、失明前の緻密な描写と繊細なグラデーションによる作品、そして再び絵を描き始めるきっかけとなった、結婚記念版画『ボクとコボちゃん』からの失明後初期作品など、2002年までに発表された作品から140点を厳選。エムさんの奇蹟の軌跡を追った作品集です。

ご自身による、詳細な年譜「表現者 エム ナマエの歩み」やエッセイ「夢の力」など、単なる作品集に留まらない、読みどころ満載の一冊ですが、わけても私が大変興味深く読んだのが、エムさんが作品の制作過程を綴った、「エム ナマエの秘密〜どうしてぼくは絵をかくのだろう〜」です。
現在の作品の制作方法に至るまでの試行錯誤、つまりいかに今のドローイング方法を確立したか、またコボちゃんとのコンビネーションによる着色プロセスの妙、などが写真入りで解説されています。

 
 「自分のドローイングを確認するために、製図ペンをボールペンに持ち換える。力強くかけば痕跡の残るボールペン。これで、ある程度正確な描線を引くことができた。
 ここで誤解を招かないため、あえて生意気と受け取られることを覚悟して書くことにしよう。誰でもボールペンさえあれば、目を閉じて絵を描くことができるわけではない。ぼくにそれが可能なのは、ぼくが経験を積んだイラストレーターだからである。(中略)よく誤解されるのは、ぼくがボールペンの軌跡をなぞって絵を描いていると思われることだ。そうではない。どんなにボールペンの軌跡を指先でなぞってみても、そこに形が見えてくるわけではない。そんなこと中途失明のぼくには不可能なことだ。要するに、ペンの軌跡はぼくのドローイングの当たりでしかない。つまり、失敗しないための当たりである。はみ出しや重なりを阻止するためのテクニックである。」(『夢の力』102ページより)


なるほど。いや、まさにエムさんが危惧されていた通り、私も強い筆圧の描線をなぞって描いておられるのだと誤解していた一人でした。

最後にエムさんは、こう締めくくっています。
 「ぼくはどこまでも自由に、そして自らの判断を信じて絵を制作する。それがいちばん楽しいのだ。そして、ぼくの目の中ではなく、鑑賞者の目の中でぼくの絵が完成することこそ、ぼくの絵の最大の価値なのだ。」

5月4日、5日、エムさんが阿蘇白水郷美術館にいらっしゃいます。
直接、エムさんに「エム ナマエの秘密」についてお訊きしてみてはいかがでしょうか?

夢の力  エムナマエ原画展
期日   平成20年4月29日(火・祭日)~ 5月25日(日)
           *5月12日(月)、19(月)は休館日です。
場所   阿蘇白水郷美術館 TEL 0967-62-8200
      〒869-1504 熊本県阿蘇郡白水村一関1247
      (南阿蘇鉄道 中松駅より車で5分 南阿蘇村白水温泉 瑠璃 裏手
                          もと銀河高原ビール工場下)
      開館時間 10:00 ~17:00 (入館は16:30まで)
入館料  大人 1000円 大学生 500円
      高校生以下、および障害者 は無料
連絡先 エムナマエ原画展実行委員会事務局 
     ボランティアグループ ばら企画 096(346)9480 江藤
5月4日(日)、5日(月)には、エム ナマエさんご本人も来館されます!
ぜひ、お出かけ下さい!
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by aiikusha | 2008-04-10 17:27