08/05/12 『ヤーノシュ・シュタルケル自伝』日本経済新聞・書評

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今年3月に発売以来、往年のファンのみならず各方面よりご好評をいただいております、20世紀を代表するチェリスト、ヤーノシュ・シュタルケルの自身の筆によるその名も『ヤーノシュ・シュタルケル自伝』。
この度、5月11日(日)付け、日本経済新聞の書評欄にて紹介されましたので、ご案内させていただきます。

書評・執筆者は、京都大学准教授 岡田暁生 先生。

「……(前略)、これは一般的な音楽家の自伝とはかなり趣が違う。ありがちな音楽業界裏話の類はあまり出てこないし、自分の身に起きたことを網羅的に拾い集めて生涯を再現しようとする本でもない。」

「自分が世に生まれ、ヤーノシュと名づけられ、アウシュヴィッツの時代を運よく生き延び、チェリストとして大成したことすべてを、彼はただの偶然と考えているかのようだ。『チェロが人生の支えだった』という感動物語は出てこない。……(中略)、とぼけていながら真摯(しんし)で、淡々としていながら枯れていない。不思議な文体である。」

「本書には、どこまで本当でどこまで作り話なのか分からないエピソードが、しばしば挿入される。つまり一種の短編小説のようにも見えるのだが、特に(中略)終章(第13章)は、完全なフィクションである。……(中略)この第13章が、戦時中の悲惨な体験を綴った第1章と、オクターヴで呼応する。これは一人の音楽家の生涯についての『無調で描かれた幻想曲』である。」


『ヤーノシュ・シュタルケル自伝』
ヤーノシュ・シュタルケル:著 石戸谷滋:訳 堤 剛:監修
A5判/406頁/2800円(税別)

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by aiikusha | 2008-05-12 16:44